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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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藤原光顕の歌「また春がきて25首」・・・木村草弥
芸自_NEW

──藤原光顕の歌──(48)

      「また春がきて25首」・・・・・・・・・・・・木村草弥
          ・・・・・・「芸術と自由」誌No.320/2020.08掲載・・・・・・・・

        
           また春がきて       藤原光顕

   出色の出来の一語にこだわって春の手前の一日暮れる
   オッ春の風や今のは、気がつけばまだ空いていた心のすきま
   小人とか原始人らと家裏の羊歯退治して また春が来る
   時ところかまわず何にでも躓くそんなバランスで今年の花を見ている
   何年もしょぼくれていた庭の薔薇いっきょに咲けば予兆のようで
   何を思いあぐねていたのだったか気がつけば庭の椅子が夕焼けている
   このままに醒めなくていい 春暁の目覚まし消してまた眼を閉じる
   夢の散歩はいつも垂水のうら山で今夜はすすきの原に分け入る
   ふきのとうの苦さふくめば戦中戦後のふるさとの風 谷間の風
   過ぎる窓の一つ一つの人生をあの人は言う 旅の車窓の
   夕刊も読まないままで寝てしまうどうせ似たような朝刊がくる
   神の民なんていつまで酔ってるか 縦に組まれた新聞読んで
   コロナが連れてきたカタカナ語わかってもわからなくても 怖い
   立ち止まってしばらく顔を向けてやる 時々監視カメラと遊ぶ
   極端な音痴ですから君が代は畏れおおくて ホントなんです
   コロナ禍も大型連休も生き延びて朝からまちがえず薬をのんで
   夕食と並べ食卓におくチェックメモ 内服三種 目薬三種
   一杯半の焼酎で今夜はとりあえず・・・ 八十五年の長さ短さ
   この一杯あたりから心地よい酔いに若いあの日が見えたりしたり
   焼酎一合=短歌一首はまとめること成果はともかく一合は飲む
   明日があるということにして読みさしの本に栞を挟む今夜も
   港の灯も京の外れもごちゃまぜでまァええやないか何かが揺らぐ
   誰も彼もあっさり消えてしまっただれもかれも笑顔をのこして
   ひっかかる いつものようにさりげなく言ったつもりのさよならなのに
   何万年か何兆年かさよならは宇宙をいつまで漂うのだろう
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梓志乃さん編集の季刊誌「芸術と自由」が届いた。
巻頭に藤原光顕氏の連作が載っている。
彼の主宰する「たかまる」誌と比べると、こちらの方が作品的には整っている。緊張感が違うのだろうか。
一連は、自由律とは言っても、日本の伝統的な五、七という「音数律」に、ほぼ沿った形になっている。
美しい歌群と言えるだろう。
私は酒が呑めなくなったので辞めたが、藤原さんは、お好きらしい。私より五歳も若いから当然か。
面白い一連を読ませていただいた。有難うございました。




  
 
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