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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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松村信人の詩「ナカタニを呼べ」・・・木村草弥
イプリス_NEW

       松村信人の詩「ナカタニを呼べ」・・・・・・・・・・・・木村草弥
                ・・・・・・イプリスⅡ31号所載・・・・・・・

この松村信人の詩は、先年上梓された『似たような話』(思潮社刊)と、よく似た手ざわりの作品である。


          ナカタニを呼べ     松村信人

   西成の居酒屋で友人と飲んでいるとき
   隣席のチンピラ風の男に因縁をつけられた
   友人は腕つぷしが強い
   相手はまずいと察したのかちよっと顔を貸せと奥の部屋に連れて行った
   奥座敷には兄貴分と思われる男と若い女が飲んでいた
   私らの姿を認めたとたん一気に険悪な雰囲気になった
   友人が突然
   ナカタニを呼べ 呼んで来い
   凄い形相で私を戸口の方へ押しやった
   暑気の残る店外に慌てて飛び出したものの
   ナカタニがどこにいるのかわからない
   仕事柄の捌きを得意としているのだろうが
   どうして良いかわからず右往左往
   ともかく公衆電話をさがす
   慣れない場所でもたついていると
   店から若い店員が息を切らせて駆け寄ってきて
   何とかおさまりましたとの報告

         ・・・・・・・・・

   友人は依然として消息不明
   今でも西成に足を踏み入れると
   どこかにナカタニが見張っているような気がする
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『似たような話』とよく似た手ざわりの作品である。
このプロットが面白い。
松村氏の作品は、こういう手ざわりのものが多い。だから「似たような話」なのであろう。





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