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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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「誹風京の町」・・・・・・・・・・・・・渡部兼直
江戸は川柳京は軽口0002

渡部兼直詩集

     誹風京の町・・・・・・・渡部兼直

         相傘を
         さびしくとほす
         京の町  *1
         江戸は
         なまやすくない
         よつぱらひ
         通せんぼする
         女にめぐり会へぬ
         若いもの
         下卑た
         憎まれ口あびせる  *2
         カウボオイすこしはまし
         京の町
         平らなとこで
         上り下り  *3
         花の雨
         をしさうに帯を解く  *4
         寝ずに縫つたのに  *5
         うちにゐる顔にはをしい  *6
         花の雨
         添ひ遂げて
         覗けばこはい
         清水寺  *7

          *1 誹風柳多留第三篇
           *2 同第八篇    にくらしい口だと前をよくあはせ
           *3 同三十八篇
            *4 同五篇     をしさうに腰帯を解く御延引
            *5 同二十五篇  花の雨寝ずに縫つたをくやしがり
            *6 同六篇     うちに居る顔にはをしい御延引
            *7 同三篇

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この詩は、つい最近、恵贈されてきた渡部兼直氏の詩集『梨の体をしてゐるいくつかの詩』(編集工房・遊 2009/06/12刊)に載るものである。
この詩集には全部で17篇の詩が載っているが、皆、「歴史的かなづかい」を採用したものである。
この詩集につけられた略歴によると、
1931年 米子生まれ
早稲田大学文学部国文科卒
1970年代から現代詩を作りはじめ、今までに七冊の詩集を刊行されている。
私は、つい最近になってから「楽市」の同人になったばかりだが、渡部さんは2003年からの同人である。

この詩は「誹風柳多留」という江戸時代の「川柳」のアンソロジーに載る句を取り込んだ「コラージュ」の作品である。
私にもコラージュの歌もあるが、短歌界というのは煩いところで、こういうコラージュというような、西欧の詩などで常用されるような手法が認められず、私も困った記憶がある。
この渡部氏の作品には、下注として、引用句の出典が掲げられている。
私の創作ではないが、2008/06/05付けで、下山山下『江戸は川柳 京は軽口』という本を紹介しているので、参照されたい。

この詩集には、他に「夢の女」という36ページにも達する長い詩もある。

なお、はじめに掲げた図版は下山山下の本に収録された昔の「読み本」のカットである。
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