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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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石麻呂にわれ物申す夏痩せに吉しといふものぞ鰻とり食せ ・・・・・・・・・・・大伴家持
2k_19mうなぎ丼

  石麻呂にわれ物申す夏痩せに
     吉(よし)といふものぞ鰻とり食(め)せ・・・・・・・・・・・大伴家持


今日は土用に入って初めての「丑の日」である。この日には「うなぎ」を食べることになっている。
年によっては土用に二回「丑の日」があるが、今年は今日だけである。

この歌のように万葉の昔から、ウナギが夏の暑さで体力を消耗するときには、体にいいと考えられていたのである。

私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)にも

   献立は有季定型と鰻丼を妻は供しぬ土用丑の日・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

という歌がある。
亡妻は俳句をやっていたので、この歌は、それに因んだものであり、「ありきたり」の決まりきった食事というのを「有季定型」と表現してみた。

一昨年に「中国産」のものに発ガン物質などの混入事件、産地偽装などがあって、とかく「うなぎ」の評判が悪いが、今日の「丑の日」の記事として採り上げる。
「うなぎ」好きの私なればこそである。
今年は、ウナギ養殖の始まりになる稚魚「しらす」の不漁で国産ものの値段は高くなっているらしい。
私なんかは国産であろうと台湾産であろうと中国産だろうと、お構いなしにもりもり食べるので関係なしである。

「土用」あるいは「丑の日」などの言葉は、「暦」に関係するもので、土用は二十四節気のもの。丑の日は十二支のものである。
深遠な暦法の話が、こうして、すっかり日本人の庶民の生活に溶け込んでいるのも微笑ましいことである。

mainひつまぶし

それよりも先ず、二番目の写真は名古屋地方で食べられる「ひつまぶし」という鰻丼の一種である。セットになっていると結構高くて2000円くらいはする。中京圏ということで三重県でも出てくる。
名古屋は独特の生活慣習を持っているところで、うどんも「きしめん」という幅広のものが愛用される。

p000437うな重

三番目の写真は普通の「うな重」だが、このくらいの膳になると3000円~4000円は、する。肝吸いが付いていれば当然である。

ここで土用の丑の日に鰻が日を決めて食べられるようになったイキサツの薀蓄を少し。
江戸時代、何か鰻の食用増進に良い知恵はないかと、さる鰻屋が平賀源内に相談したところ、源内が「本日、丑の日」と紙に書いて店頭に張り出した、のがはじまりとされている。
土用の丑の日に消費される鰻の数は、物凄いもので、鰻屋としては平賀源内は神様みたいなものである。
この話には前段がある。掲出した「万葉集」の大伴家持の歌は有名なので、平賀源内は、この歌を知っていたものと思われる。
夏痩せに鰻が有効という、最古のキャッチコピーとも言えるだろう。

私はウナギが好きで夏でも冬でも一年中食べるが、娘なんかは食べない。

20040701lうなぎ丼ピリ辛風

この頃では、いろんなウナギの食べ方があり、四番目の写真は「ピリ辛風鰻丼」というもので、実は某スーパーの広告に載っているもの。ピーマンや赤ピーマンなども乗っている。ピリ辛というのだから唐辛子なども利いているのだろうか。

先に挙げた私の歌の一連5首を引用しておく。

   朱夏・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥 

三代に憂きこともあれ古時計いま時の日に平成刻む

缶を蹴る音からころと転がりて一学期終へて子ら帰りくる

夏風邪に声出ぬといふ電話口この夏も娘(こ)は里訪はぬらし

三伏の暑気あたりとて香水を一滴ふりて妻は臥しをり

献立は有季定型と鰻丼を妻は供しぬ土用丑の日
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土用の鰻を詠んだ句を引いて終りにする。

 土用鰻店ぢゆう水を流しをり・・・・・・・・・・・・阿波野青畝

 鰻食ふカラーの固さもてあます・・・・・・・・・・・・皆川盤水

 うなぎ食ふことを思へり雲白く・・・・・・・・・・・・稲垣晩童

 荒涼と荒川鰻裂いて貰ふ・・・・・・・・・・・・・細見綾子

 まないたの疵曼陀羅や鰻割く・・・・・・・・・・・・百合山羽公

 うなぎ焼くにほひの風の長廊下・・・・・・・・・・・・きくちつねこ

 いのち今日うなぎ肝食べ虔めり・・・・・・・・・・・・簱こと

 うなぎひしめく水音朝のラジオより・・・・・・・・・・・・豊田晃

 一気に書く土用うなぎの墨太く・・・・・・・・・・・・吉田北舟子
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名古屋の友人の話によると、名古屋市内の某有名うなぎやさんは、土用の丑の日には、うなぎに感謝して、休業する、という。私は初めて聞く話だが、そのうなぎやさんの心意気をよし、としたい。あたら超繁忙期の日を棒に振って、うなぎに感謝するという何という心の優しい主人の哲学だろう。

コメント
コメント
マスターの父は鰻が大好きで上京すると
必ず鰻の名店に出かけます。
マスターは若いときは鰻は物足りなかった
のですが、トシをとり始めたのか、
あの油脂分が丁度良いように感じるように
なりました。
2010/07/28(水) 06:50:58 | URL | 2000円マスター #- [ 編集 ]
マスターさま、いらっしゃい!
■マスターさま、いらっしゃい!
毎日あついことです。
名店であろうと、スーパーに並ぶものであろうと、
私はウナギ好きで、季節を問わず食べます。今のシーズンを外すと、結構安くたべられますよ。
私の次女などは嫌いで全く食べませんね。
適当にカロリーを摂取して猛暑を乗り切ってください。
では、また。
2010/07/28(水) 07:52:19 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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