FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
202007<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>202009
老後とは死ぬまでの日々花木槿・・・・・・・・・・・・・・・・草間時彦
aaoomukuge1むくげ大判

  老後とは死ぬまでの日々花木槿・・・・・・・・・・・・・草間時彦


木槿あるいは槿と書かれる「ムクゲ」はアオイ科の落葉低木。
原産地は小アジアとも中国とも言われ、我が国への渡来は古く平安時代に薬用植物として中国から伝わったらしく『延喜式』に「卯杖」としてその名があるという。
「木槿」は中国名。韓国の国花になっているが「無窮花」ムグンファと呼ぶ。この名前から日本名の「むくげ」の発音が由来するという。
ムクゲは朝3時ころに開花した花は夕方にはしぼんでしまう一日花。
『和漢三才図会』に「すべて木槿花は朝開きて、日中もまた萎まず、暮に及んで凋み落ち、翌日は再び開かず。まことにこれ槿花一日の栄なり」とあり、ムクゲの花の特徴を的確に描いている。
「万葉集」のアサガオにムクゲを充てる説には植物学者は否定的であるという。
先に、古くは薬用植物として渡来したと書いたが、白花の乾燥したものは煎じて胃腸薬に、樹皮は水虫の特効薬になるという。

ムクゲは俳句では「秋」の季語になっているが、地方によって異なるだろうが、私の辺りでは、もう六月下旬から咲きはじめるから違和感がある。
花は長く咲きつぎ秋まで鑑賞できる。
私の歌にはムクゲを詠んだものは一つもないので、歳時記に載る句を引いておく。

 日の出待つやむくげいつせいに吹かるる中・・・・・・・・大野林火

 墓地越しに街裏見ゆる花木槿・・・・・・・・富田木歩

 台風まだ木槿揺るのみ舟溜り・・・・・・・・石田波郷

 他人の母の八重歯や木槿も若々し・・・・・・・・中村草田男

 木槿咲く籬の上の南部富士・・・・・・・・山口青邨

 白木槿嬰児も空を見ることあり・・・・・・・・細見綾子

 亡き父の剃刀借りぬ白木槿・・・・・・・・福田寥汀

 木槿咲かせて木曽人の無愛想・・・・・・・・森澄雄

 白木槿芯まで白し加賀女・・・・・・・・沢木欣一

 拭けば乾くみどり児の髪夕木槿・・・・・・・・岡本眸

 木槿咲くトランペットの破調音・・・・・・・・遠山弘子

 四五人の賛美歌木槿咲きそめし・・・・・・・・藤田湘子

 いい朝のいい顔でゐて白木槿・・・・・・・・能村登四郎

 むくげ垣なるほど馬の顔大き・・・・・・・・神尾季羊

 白むくげ燦爛として午前九時・・・・・・・・川崎展宏

 木槿咲き揚羽来る日の刻同じ・・・・・・・・佐久間東城

 白木槿湖畔を走る貨車の音・・・・・・・・皆川盤水

 木槿咲き円をいくつも湾の浮槽(ブイ)・・・・・・・・和知喜八

 花木槿素足はばかる尼寺の廊・・・・・・・・小宮山恭子

 ひらひらと逝きたまひしをむくげ咲く・・・・・・・・三井葉子

コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2020 Powered By FC2ブログ allrights reserved.