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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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真ひるの丘べ花を藉き/つぶら瞳の君ゆゑに・・・佐藤春夫
佐藤春夫記念館

   少年の日・・・・・・・・・・・・・・・佐藤春夫

野ゆき山ゆき海辺ゆき

真ひるの丘べ花を藉(し)き

つぶら瞳の君ゆゑに

うれひは青し空よりも


この「少年の日」という詩の全文は、下記の通りである。

 1.
野ゆき山ゆき海辺ゆき
真ひるの丘べ花を敷き
つぶら瞳の君ゆゑに
うれひは青し空よりも。

 2.
影おほき林をたどり
夢ふかき瞳を恋ひ
なやましき真昼の丘べ
花を敷き、あはれ若き日。

 3.
君が瞳はつぶらにて
君が心は知りがたし。
君をはなれて唯ひとり
月夜の海に石を投ぐ。

 4.
君は夜な夜な毛糸編む
銀の編み棒に編む糸は
かぐろなる糸あかき糸
そのラムプ敷き誰がものぞ。

佐藤春夫は小説家でもあったが、大正10年刊の第一詩集『殉情詩集』以来、大正、昭和の詩壇に特異な地位を占めた。
多く恋愛詩から成る、この詩集は、詩形においては古格を守りつつ、盛られた詩情の鮮烈さ、憂愁の情緒、鋭敏な神経のおののきによって、多くの人の心を捉えた。
掲出の詩は「少年の日」と題する四行詩四章の初期作品で、「四季」に分けられており、掲出のものは一番「春」である。
表現が古風な型を守っているため、却って少年の恋ごころを、よく歌い得て、愛唱された。

この詩は7、5調のリズムで作られており、日本の伝統的な音韻構造を採っていると言える。
佐藤春夫については2007年初夏に少し書いたことがある。
掲出した写真は故郷の新宮市にある「佐藤春夫記念館」のパンフレットである。
佐藤春夫は創作を止めた後は、多くの弟子をとり文筆指導で多額の指導料を得ていた。今では見られない処世術であったと言える。文壇に絶大な影響力があり、文化勲章の受章にも至っている。

  
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2012/06/21(木) 14:38:50 | | # [ 編集 ]
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