K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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ひとり連詩・「残 照」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
イコン

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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
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 ──草弥の詩作品<草の領域>──(59)

        ひとり連詩・ 残 照・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
          ──春潮の快楽(けらく)か老いのうす明かり──



   <川は枕の下を流れ>
   と詠んだのは吉井勇
   川は きのうへ流れ
   ひとりぼっちの川は流れる 無信心
   性書ひらく一瞬 さくらが咲いた
   本なんか読むなよ 満開の桜だ
   母の展(ひろ)げる地図に さくらさくら
   襞(ひだ)をひろげると地図が消えている
   妻の手の鳴る方へ 魚形の眼(まなこ)だ
   春の夜の不思議な夢に家族の目だ
   私の咎(とが)で傷つくお月さまだ
   春の雨 やがて弔い唄になる。


   花は雫(しずく)して木偶(でく)の唇はひらき
   弱肉強食の歯にしらしらと桜満ち
   木偶に木偶来て きのうのさくらだね
   死者の目に残るさくらの幾ひらぞ
   生は死の一部分であり
   生きる証(あかし)の腐臭を放つのだ 贄(にえ)
   じっとしていると集(つど)う孤と孤と孤
   あこがれのあれは けだものの火のかたち
   青嵐 火の手が及ぶかもしれぬ
   待つ身ゆえに 郵便受に日が落ちる。


   野菜サラダの上を菜種前線通過中
   存在証明 大きな音で茶碗が割れる
   こっそりと研ぐ快感のナイフ
   ナイフ研ぐ かすかに青を零(こぼ)す指
   フラスコの中の白濁した未来
   黄泉比良坂(よもつひらさか) 缶を蹴ったり石を蹴ったり
   ガードレールをざくっと越えてゆく記号
   「柿の種」をポリポリ 遺産相続人になる
   木のぬくもり 男と女の過失率
   毀れゆく確かなものなど有りはしない
   屈託もなく春風が春画をめくる
   吉野は天川村洞川(どろがわ)から陀羅尼助丸が届く
   いいえ、言葉の置き薬です。


   体内と体外の毛の出来ごころ
   通せんぼは止(よ)して あなたの夢の中
   春の体内の橋はぐらぐらと危険だ
   木の腋をくすぐり女は雨を待つ   
   気持よさそうに紐がのびている
   そう、蛇になったら行くところがある
   しばらくは木の股に 生きているよと揺れている
   そう、ふんころがしの一生に似て来たな。
   
       ひとつぶの朱(あけ)の残照 生きている。

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(2010/04/10作)
原作は縦書きで、ルビも振れるが、このフォーマットではフリガナが振れないのでカッコに納めた。
見苦しいがお許しあれ。 習作中のため改作することがあります。
この四月で、母の十八周忌。妻・弥生の四周忌になる。 その菩提追善のための献詩として作った。

いま昼前に札幌に住む亡妻の妹・克子さんから命日の生花が届いた。仏前に供えた。

掲出した「ロシア正教のイコン」画像は手持ちの画像を出したもので、私の詩とは直接には無関係である。


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