K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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草弥の詩「樹液と甲虫たち」・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
010704aokanabun1アオカナブン
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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
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 ──草弥の詩作品<草の領域>──(68)

   樹液と甲虫たち・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
           ──少年は樹液饐(す)えたる甘き香をにほはせ過ぎぬ露けき朝を──

学校の夏休みが始まり、いよいよ少年たちの楽しい夏だ。
家の中に閉じこもらずに野山に出かけよう。
雑木林に行くとナラ、クヌギなどの広葉樹の太い木には樹液の沁み出る傷がある。
そんなところには木の樹液に集る虫が寄ってきて樹液を舐めている。
カブトムシ、クワガタムシ、カナブンなどの甲虫やムカデなどである。
樹液は甘い香りがして、実際は酢と甘さとアンモニア臭と色々のものが混ざったものらしい。
とにかく、昆虫採集をして樹液の近くに居ると、体に樹液の匂いが沁みつくもので、
題名に添えた歌は、そんな少年の情景を詠んでいる。

樹液の沁み出す木の傷には、いろいろの虫が集ってくる。
虫にも強弱があり、力の強いカブトムシなどはズカズカと樹液に到達するが、弱い虫は遠慮がちに
オズオズと周辺から辺りをみながら近づいてくるから面白い。

少年は虚弱児で、活動的な子ではなかったが、田舎ですぐ近くには雑木林があるような環境
だったから上級生に連れられて虫を捕まえに行ったりした。
水泳なんかも、上級生に無理に川に突き落とされて、溺れまいと必死で泳ぎを覚えたものである。

おおよそ昆虫は雄が大きく牙も大きい。少年の頃は何も知らずに牙の大きいのを源氏、小さいのを平家
などと呼んでいた。
いま、昆虫の雄が大きい、と書いたが、それは正確ではない。
昆虫と言っても多くの種類があり、甲虫目(鞘翅目)は雄が大きいことが多い。
バッタ、イナゴ、カマキリなどバッタ目(直翅目)は雄が小さく、雌が大きい。
もっとも、これらは樹液にたかる虫ではなく、草を食べたり、草の汁を吸ったりする昆虫である。

とにかく、樹液の出る傷のある樹が見当たらない場合は、先に書いたように樹液に似た液を作って
樹の洞などに置いておくと虫が集ってくるものである。その辺は少年なりの知恵と言えようか。

蝉などは幾つもの種類が朝早くから、やかましく鳴いていた。あまり蝉採りなどはしなかった。
蝉の名前が思い出せない小さな蝉でじーじーと鳴くのがうるさかった。
夏の終りに近づくとカナカナと蜩(ひぐらし)が鳴き出す。ツクツクボウシも秋口の蝉である。

先日、暑いさなかをゴルフしていたら、何年も年月を経た大きなポプラの木に羽化した蝉の抜け殻があり、
木の周りに地下から幼虫が出てきた穴が、いくつもあった。
日本の蝉は地下に数年棲んでいるから、幼木にはまだ蝉は棲みつかない。

ノコギリクワガタという立派なクワガタが居て、体の色が赤銅色に光っているのが特徴。
この虫が子供たちにも人気があった。
昔はクヌギ、ナラなどの雑木は薪として利用されたので数年の更新期を経て伐採された。
そんなタキギとしての用途もなくなって、雑木林はうち捨てられた。
クヌギやナラは数年で更新されるから再生するのであって、切られなくなっては雑木林は
衰退するばかりである。

そんな虫たちを詠んだ草弥の歌がある。

             沙羅の寺(抄)

     楢の木の樹液もとめて這ふ百足(むかで)足一本も遊ばさず来る

     かたつむりの竹の一節越ゆるを見て人に会ふべき顔とりもどす

     蟻の国の事も知らずで箒もて掃くも殺すもガリバーの我

新潮社の読書誌『波』2004年8月号の連載コラム「猫の目草」103回で、
故・日高敏隆先生が「カブトムシたちの苦労」というのを書いていらっしゃる。
それを読むと、交尾の済んだカブトムシの雌は卵を生みつける手ごろな「腐葉土」を
見つけて産卵すると、雌の一生は終る。カブトムシの幼虫は腐葉土を食べて育つ。
カブトムシと並んで子供たちの関心の的であるクワガタムシは、親はカブトムシと同じく
樹液を唯一の食物としているのに、どういうわけか「朽木」に産卵し、幼虫は朽木を食べて育つ。
朽木により腐り方がいろいろあり、クワガタムシの種類によって好みも違うが、総じて朽木は
腐葉土に比べて栄養価がずっと低い。
だからクワガタムシの幼虫が親になるには、少なくとも2、3年はかかる。けれど、その代わり、
親は、カブトムシと違って2年以上生きられる。同じ樹液に集る虫なのに、カブトムシと
クワガタムシは、まるで違った一生を過ごしているのである。
──こんなことは、今はじめて知ったことである。自然は一面、公平なところがあるのだ。

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(2010/07/20作)
習作中のため改作することがあります。


コメント
コメント
カブトムシ
両親から親戚の家の堆肥にいたカブトムシの幼虫をもらったので、育ててみました。
2週間ほど前にオス2匹、メス1匹が成虫になったのですが、オスの1匹は角が曲がり、もう1匹は角が折れてしまいました。
しかし、3匹とも元気なので、卵を残さないかと期待しています。
あまり動き回る昆虫ではないのですが、観察しているといろいろ発見があって面白いですね。
2010/07/23(金) 20:31:36 | URL | シルバ #- [ 編集 ]
カブトムシ、私は飼ったことがありません
■シルバさま。
お早うございます。
カブトムシ、私は飼ったことがありません。
野外に、自然にたくさん居たわけですから。
この虫は落葉や堆肥を積み上げてあるところなどに卵を生みます。この堆肥を餌にして幼虫が育つのです。
サナギから羽化して成虫になるときが「皮」も薄くて一番危険な時期で、あなたの虫の場合は、それらに何か障害があったのでしょう。飼育キットがあれば「卵」を育てるのもよいでしょう。
では、また。
2010/07/24(土) 07:56:49 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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