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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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ドーパミンなだめかねつる此の宵を蛞蝓の辿れる白き這ひあと・・・・・・・・・・・木村草弥
dopamine゛ーパミン化学式

     ドーパミンなだめかねつる此の宵を
       蛞蝓(なめくぢ)の辿れる白き這ひあと・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第四歌集『嬬恋』(角川書店)に載るものである。自選にも採っているのでWebのHPでもご覧いただける。
写真①は、ドーパミンの化学式C8H11NO2の模式図である。物質名は2-ヒドロキシフェニルアミン。
ドーパミンは興奮や快感を伝達する神経伝達物質である。
脳には手綱核というものがあり、意欲や気分などの「情動機能」の調節に重要なドーパミン神経系の活動を調節する上位中枢として注目されいてる。
ドーパミンの放出によって「他では得られぬ」強烈な快感と幸福感を呼び起こす。
この物質はアミノ酸のひとつチロシンから作られたアミンの一種。
チロシンという物質が麻薬の主成分なので、脳内で公然と麻薬が作られていることになる。
最近になって知られることだが、ドーパミンの欠乏がパーキンソン病を引き起こす。

カナダのオームズやラウンテンバーグらによって、脳幹の中央部に沿って走る「A10神経」が快感神経であることを特定。
この神経ニューロンのシナプスに「ドーパミン」という「脳内快感物質」を発見した。
ドーパミンは脳を覚醒し快感を誘い、創造性を発揮させるという。

難しい話になったが、とにかくドーパミンは性行為にまつわる重要な物質である。内分泌ホルモンと言ってよいのであろう。
私の歌について書くと、ドーパミンというものの作用を知って、この歌が出来上がったといえる。
そして、ナメクジの「這いあと」というのは、男性の精液の白い液を、暗喩として表現している。
よく観察するとナメクジの這いあとには、さながら精液のようなねっとりした光る跡が残るからである。
ドーパミンをなだめることが出来るかどうか私は知らないが、文学表現として、このように書いてみたのである。

ナメクジというのは嫌われる存在で、所構わず這い回られるとゾッとするが、「性」というものには、何か日蔭の存在みたいなものがあり、日向には似合わないものとして、或る似かよったものがあるのではないか。
私自身は「性」は、そういう存在ではないと信じているので、じめじめした日蔭から、日のあたる日表に引き出したいと思っている。
今から振り返ると、この頃は私は、精気に満ちて充溢していたのである。
念のために「ナメクジ」の写真を出しておく。

1149353472ナメクジ

なお、蛞蝓は夏の季語であるので、それを詠んだ句を引いて終る。

 蛞蝓のはかなき西日青胡桃・・・・・・・・飯田蛇笏

 なめくぢの左曲りと右曲り・・・・・・・・・高野素十

 来しかたを斯くもてらてらなめくぢら・・・・・・・・阿波野青畝

 なめくぢのふり向き行かむ意志久し・・・・・・・・中村草田男

 蛞蝓急ぎ出でゆく人ばかり・・・・・・・・石田波郷

 かたまりて深夜の寺のなめくぢり・・・・・・・・中川宋淵

 たそがれは微光とならむなめくぢり・・・・・・・・能村登四郎

 蛞蝓に塩それからの立話・・・・・・・・・福永耕二

 なめくぢら這ひて呪文を残すごと・・・・・・・・露久志香女



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