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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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ぶどう畑で ハサミの音が鳴っている/実りを終えたぶどうの樹は/・・・・・・・・・・・・・・高田敏子
budou04葡萄②

──高田敏子の詩──(8)再掲載・初出doblog2004/10/05

           ぶどう畑・・・・・・・・・・高田敏子

     ぶどう畑で ハサミの音が鳴っている
     実りを終えたぶどうの樹は
     一房 一房を 切りとられ
     その枝を軽くしていった

     ぶどう棚の上の 空は冷めたく澄み
     風もまた冷めたく
     私の着物の布目をとおして吹きすぎてゆく
     ぶどうの葉は かわいた音をたてて散りおちる

     収穫のハサミは鳴りつづけ
     その音に 私は小さく身ぶるいしていた
     私も実りを終えた一本のぶどうの樹
     鋼鉄の刃の冷めたさが 私の胸の乳房にも
     触れる思いで。
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「私も実りを終えた一本のぶどうの樹」という把握の仕方が、この詩を犀利な刃物にしている。
「葡萄を切るハサミの音に身ぶるいする」という詩人の繊細な心情と表現の的確さ。
この詩は詩集『藤』から。


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