
子がなくて白きもの干す鵙の下・・・・・・・・・・・・・・・桂信子
「鵙」モズの高鳴きがひびく季節になってきた。
モズは燕雀目モズ科の猛禽。やや大きめものでも捕食する。生餌を食べる鳥である。
掲出の写真①はモズの雄で、眼のところに横に黒い筋(過眼線)がある。
写真②はモズの雌で、雄のような黒い筋がない。色も相対的に地味である。

モズは一年中いる「留鳥」だが、秋には先に書いたように「高鳴き」をするが、これは縄張り宣言のための警戒音と言われている。
モズは「百舌」とも書くが、これは他の鳥の鳴き真似をするからで、じっと聞いていると、さまざまの鳥の鳴き声を真似している。
繁殖期も含めて、高鳴きをすることがないから、目立たないので、気がつかないだけである。
「高鳴き」のシーズンは、人が近づくだけでも、けたたましく鳴きたてる。
秋には「モズの早贄(はやにえ)」と言って、捕らえた餌を尖った枝の先などに刺しておく習性がある。
これは蓄食のためだというが、乾燥してこちこちになったものは食べないのではないか。もともとモズは生餌を食べる鳥である。
写真③はトカゲを捕らえたところ。

↓ 木の枝に刺した早贄(はやにえ)の写真。

餌は昆虫、トカゲ、蛇、魚、野ねずみ、蛙、小鳥など多岐にわたる。猛禽と呼ばれる所以である。
モズについては私の歌を掲出して昨年に書いたことがあるので、参照してもらいたい。
このようにモズの高鳴きが目立つのが秋なので、鵙の季語は秋になっている。
すでに「万葉集」にもモズを詠んだ歌があるほど文芸の世界では、古い付き合いである。
『本朝食鑑』に「およそ鵙、つねに小鳥を摯(と)りて食ふ。その声高く喧くして、好からず」とあり、猛く喧しい鳥と考えられてきたのも秋の「高鳴き」のイメージから定着したものであろう。
俳句に詠まれる句も多い。
掲出した桂信子の句は、早くに夫に先立たれて「子を産めなかった」女の哀しみをモズに寄せて情感ふかく詠まれている。
以下、モズの句を引いて終る。
我が心今決しけり鵙高音・・・・・・・・高浜虚子
大空のしぐれ匂ふや百舌の贄・・・・・・・・渡辺水巴
われありと思ふ鵙啼き過ぐるたび・・・・・・・・山口誓子
かなしめば鵙金色の日を負ひ来・・・・・・・・加藤楸邨
御空より発止と鵙や菊日和・・・・・・・・川端茅舎
百舌鳥に顔切られて今日が始まるか・・・・・・・西東三鬼
たばしるや鵙叫喚す胸形変・・・・・・・・石田波郷
逢はざるを忘ぜしとせむ雨の鵙・・・・・・・・安住敦
鵙は嘴なほ血塗らねば命絶ゆ・・・・・・・・中島月笠
鵙鳴けり日は昏るるよりほかなきか・・・・・・・・片山桃史
鵙の贄叫喚の口開きしまま・・・・・・・・佐野青陽人
鵙の贄まだやわらかき日ざしかな・・・・・・・・塩尻青茄
生きものの形ちぢみて鵙の贄・・・・・・・・山口速
鵙鳴いて少年の日の空がある・・・・・・・・菊池麻風
夕百舌やかがやくルオー観て来たり・・・・・・・・小池文子
コメント
今日は~!
その昔、今は亡き再建王の坪内寿夫氏にお会いした時に(君は鳥になりなさい!)って言われ、(飛べとか言う意味ですか?)と尋ねると(鳥は卵を蛇に食べられようとした時に助けない!助けに行って自分自身が食べられたらそれで御終い。自分が生きていればまた、卵は産める)(君は社員を大事にしすぎる!経営者たるもの非常の決断も必要だ!)等々と言われた時の事を写真や文章を読んでいて急に、思い出しました。
その昔、今は亡き再建王の坪内寿夫氏にお会いした時に(君は鳥になりなさい!)って言われ、(飛べとか言う意味ですか?)と尋ねると(鳥は卵を蛇に食べられようとした時に助けない!助けに行って自分自身が食べられたらそれで御終い。自分が生きていればまた、卵は産める)(君は社員を大事にしすぎる!経営者たるもの非常の決断も必要だ!)等々と言われた時の事を写真や文章を読んでいて急に、思い出しました。
■ももたろう様。
お早うございます。
「坪内寿夫」氏とは、偉い人を知っていますね。
今の人は彼の名前など何も知らないでしょう。
造船不況のときに彼独特の経営手法で再建したりしていましたね。
もっとも今は状況が変わり、いかに彼と言えども
どうしようもない状況に日本の造船業も追い込まれてしまいましたが。。。
では、また。
お早うございます。
「坪内寿夫」氏とは、偉い人を知っていますね。
今の人は彼の名前など何も知らないでしょう。
造船不況のときに彼独特の経営手法で再建したりしていましたね。
もっとも今は状況が変わり、いかに彼と言えども
どうしようもない状況に日本の造船業も追い込まれてしまいましたが。。。
では、また。
2010/10/15(金) 06:26:43 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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