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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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浅間曇れば小諸は雨よ蕎麦の花・・・・・・・・・・・・・・・杉田久女
img_22ソバの草

    浅間曇れば小諸は雨よ蕎麦の花・・・・・・・・・・・・・・・杉田久女

信州は蕎麦の名産地として名高い。
この句は浅間、小諸など長野県の有名な地名を配して「地名の喚起力」によって格調高い。

私の第四歌集『嬬恋』(角川書店)にも

   粟谷は山より暮れてゆく辺り夜目にも白く蕎麦の花咲く・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

という歌がある。

buckwheat-6ソバ畑

buckwheat-7ソバの花

蕎麦は正式には「ソバムギ」というらしい。ソバムギは中央アジアを原産地とするタデ科の一年草。
夏または秋に茎の先や葉腋から出る枝の先に短い総状花穂を出し、白または淡紅色の小花をつける。
播種時期によって夏ソバと秋ソバに分かれる。夏ソバは夏のはじめに種を蒔き夏の終わりに花をつけるが、秋ソバは夏の終わりに種を蒔き秋に開花する。
歳時記では「秋そば」を指すことが多い。実は三角稜で大粒。これから蕎麦粉を作る。
播種から二ヶ月ほどで実が収穫できるので昔は「救荒作物」としても栽培された。
『続日本紀』には養老6年(722年)の夏は雨が降らず、稲が育たなかったため、凶作に備えて元正天皇が蕎麦を植えさせた、という記述が見え、
奈良朝以前に日本に伝えられたことがわかる。

↓ 写真④はソバの実である。
buckwheat-5ソバの実
夏にも秋にも収穫できることから、米の作柄を見てからでも間に合う便利な作物だった。
ソバ栽培の発祥は近江の伊吹山下と言われるが、次第に東へ移り、甲斐、信州が産地として有名になった。

蕎麦の花は秋の季語だが

 蕎麦はまだ花でもてなす山路かな・・・・・・・芭蕉

 山畑や煙のうへのそばの花・・・・・・・・蕪村

 道のべや手よりこぼれて蕎麦の花・・・・・・・・蕪村

 山畠やそばの白さもぞつとする・・・・・・・一茶

などの句が名句として知られている。
山畑などに多く見られ、さびしげな花で夕暮れ時が特に印象が深い花である。
以下、明治以後の句を引いて終わる。

 降りいでし月下ほのかに蕎麦の花・・・・・・・・水原秋桜子

 そばの花山傾けて白かりき・・・・・・・・山口青邨

 花蕎麦のひかり縹渺天に抜け・・・・・・・・大野林火

 花蕎麦や日向の山はわが山のみ・・・・・・・・中村草田男

 雁(かりがね)やけふはなやぎし蕎麦の紅・・・・・・・・石田波郷

 秩父路や天につらなる蕎麦の花・・・・・・・・加藤楸邨

 花蕎麦や見ゆる限りを送らるる・・・・・・・・木下夕爾

 蕎麦畑のなだれし空の高さかな・・・・・・・・沢木欣一

 山村といふも四五戸や蕎麦の花・・・・・・・・長沢青樹

 母にまだとる齢あり蕎麦の花・・・・・・・・村松ひろし


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